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キャリこれ

オンラインでキャリアコンサルタント養成講座を!~「学び」の実現に向けて経験したこととは?(その1)

調査研究

開発

2020.10.29


私たちの身の回りに、さまざまな変化が起きました。社会人の「学び」の現場にも、それが起こっています。誰かを支援するために、現在果たすべき役割のために、あるいはこれからの人生のために、今、学びを進めたい。そんなニーズにどう応えていくか…。ここでは、私たち日本マンパワーが、キャリアコンサルタント養成講座のオンライン化を通して経験してきたことについて、お話したいと思います。

節目

日本マンパワーが行っているキャリアコンサルタント養成講座は、2016年にキャリアコンサルタントが国家資格化されて以来、厚生労働大臣の認定講習として実施されてきました。それに至るまでも、1999年の開講から、キャリアカウンセラー(CDA)養成講座として、全国各地で展開されてきました。講座の開始からちょうど20年の節目を迎えたときに起こったのが、新型コロナウイルスの感染拡大だった、ということになります。
大型クルーズ船での集団感染が報じられていた最中の2月19日、厚生労働省の『「新型コロナウイルス感染症についての相談・受信の目安」を踏まえた対応について』を受けて、今後の養成講座の実施について、社内での本格的な検討と対応が始まりました。
一連の対応の中では、まさに多岐にわたっての検討が必要とされましたが、特に次の4つは大きなポイントでした。1つ目は厚生労働大臣認定講習であること、2つ目はオンライン環境の整備、3つ目は品質の担保、そして4点目が約800名という受講生への対応というものです。

制度・連携・柔軟性

まず、1点目についてですが、この講座は厚生労働大臣の認定講習の一つとして行われているものですので、国の示す基準を満たして実施される必要があります。従来の基準では、スクーリングについては「通学の方法にあっては教室における講師による説明が中心となるもの等」とされており、これについて厚生労働省との丁寧なコミュニケーションが必要でした。2月28日に同省から提示された「新型コロナウイルス感染防止等のための当面のキャリアコンサルタント養成講習・更新講習に係る対応について」では、「今般、「通学」については、必ずしも教室内に集合せずとも双方向のコミュニケーションが随時可能であるなど、通学と同等に講習の理解を促すことのできる形態での講習実施を時限的に「通学」と見なす運用とする」との特例的解釈が示され、これによってオンラインによる講習の実施の道が拓かれました。国の制度という大きなフレームの中にあって、こうした、関係者の環境に対する柔軟な姿勢は、大きな変化の中でも学びを維持するための推進力となり、その後も、国を始めとする関係機関との密な相談と連携は、講座の円滑な継続のための礎となりました。

試す

2点目はオンライン環境の整備です。弊社のキャリアコンサルタント養成講座は、4~5名程度でのグループディスカッションや、1対1でのロールプレイングなど、相互の発言・対話を通して学びを深め、キャリアコンサルタントとして必要な技能・姿勢を身に着ける構成となっています。こうした学びを、オンライン上で実現するにはどうするといいのか…? 講座の内容・品質を保つための環境を整えるということは大きく重要な課題でした。今年2月の時点では、1対1のキャリアコンサルティングをオンラインで実施したり、講座の説明会をZoomで試験的に実施したりするといったことはあったものの、講座や研修で本格的にオンラインに取り組むのは、弊社ではこのケースが初めてだったのです。
オンラインでの講座実施に使えそうなツールが複数あるなか、ブレイクアウトセッションというグループに分かれての対話の機能を実装しているZoomは有力な候補でした。しかし当時はZoomの使い方についての知見はほとんどなく、数十人が一度にアクセスして、実際に使えるのかもわからなかった、という状態にありました。そんな中に実施されたのが3月7日の50名もの社員有志によるZoomのテストでした。土曜日の午前中、社内のさまざまな部門から有志が集まり、模擬的にオンラインでの講座実施と同様の状態を作り出し、当日の状況と参加者からのフィードバックによって、実用化への目途がつきました。ツールは存在したとしても、それが本当に使えるのかどうかは人の介在なくしては確かめられません。手前味噌になってしまいますが、社内のこうした文化も、環境変化への対応の支えの一つとなりました。

急ピッチ

また、こうしたツールを介して講座を提供する側、特に講師陣にも、こうした変化への適応が必要とされました。多くの講師が、オンラインでの研修の実施が初めてという中で、3月10日と12日には、Zoom操作の講師勉強会が実施されています。後述しますが、弊社が最初にオンラインで受講生を対象に講座を実施したのは3月14日。社員有志によるテストが3月7日でしたから、まさに急ピッチで準備を進めていったわけです。こうしためまぐるしい展開の中で、多くの講師の理解と協力を得られたのも、オンライン化を支えた大きな要因だったと言えるでしょう。
初回3月14日の講座の担当講師2名が10日の勉強会後に残したコメントがあります。
「当日は助けていただくことがとても多いかと思いますが、どうぞよろしくお願いいたします。」
「なんとか頑張りたいと思います。よろしくお願いいたします。」
シンプルで、よく見かける表現ではありますが、その中に、この事態に向き合う姿を感じる気がしますが、いかがでしょうか…?
(つづく)