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サッポロビール様イベントレポート 「サッポロビール様の事例から学ぶ社員のキャリア自律支援」【後編】

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イベント

2023.4.17


2023年1月31日、イベント『サッポロビール様の事例から学ぶ 社員のキャリア自律支援~自分のキャリアは自分で切り拓く~』を開催しました。ゲストは、サッポロビールのキャリア自律支援を担当されている小山様。
サッポロビールでは、2010年から社内キャリア相談をスタートされ、2012年には「自分のキャリアは自分で切り拓く」という人財育成ビジョンを掲げられて、さまざまなキャリア支援施策を実施、継続されています。様々な施策を展開される中で、社内への情報発信や告知に工夫を凝らされている事例など、社内のキャリア支援に関心のある方々にとって参考となるお話をたくさんいただきました。
ここから、後編をお届けいたします。

6.ファシリテーターとのクロストーク

秋本:
「ここからは、私とのクロストークや、参加者の方のご質問を取り上げる形式で進めていきたいと思います。たくさん伺いたいことがあるのですが、まず、お話にあったマイキャリアマップについて教えてください。」
~(1)マイキャリアマップ~

秋本:
「御社のマイキャリアマップのような取り組みは私もいろいろなお客様に推奨しています。生き生きとした社員の活躍事例は、社員にとってのロールモデルになりますし、目指すキャリアビジョンの参考例としても活用できます。ベテラン社員の事例も載っているのですか?」

小山:
「はい、マネジメント職の人とプロフェッショナル職の社員を載せています。例えば業務用の営業をずっとやっていて、そのまま、営業のプロフェッショナルの仕事をやっている社員の事例などがありますね。」

秋本:
「なるほど、ありがとうございます。マイキャリアマップは、本当にいろいろな社員が紹介されているんですが、これは、ご自身が自ら手を挙げられるのか、小山様のチームの方から働きかけをされているのか、どちらですか?」

小山:
「はい、こちらからお願いして書いてもらっています。お願いするときには、『この人のキャリアを紹介したら、社員は興味を持ってくれるんじゃないか』とか、『こういうキャリアを歩んできた人のものがいいんじゃないか』など、いろいろと私たちの方で考えています。」

秋本:
「いろいろな企業さんに『キャリアマップはいいですよ』とお話しすると、大企業さんになればなるほど、『誰にしようか』という選択で悩まれたり、『どこにどういう人がいるんだろう』と困ったりされることもあるのですが、御社は、小山さんのチームが、社員の情報をいろいろと収集されていらっしゃるんですね。」

小山:
「どなたに記載していただくかは、人事部のメンバーで検討しています。ただ、それぞれのキャリアには正解も不正解もないと思いますので、いろいろなケースをいろいろな人に書いてもらうことが大切かなと思っています。」

秋本:
「確かにそうですね。キャリアに正解不正解はありませんので、いろいろな方が登場することによって、『この人は自分に近しいな』とか、『この人はちょっと違うかな』とか、見る人によって参考になる要素は変わってきますよね。」
~(2)キャリアサポート制度、
上司と部下のキャリア面談・1on1、キャリアビジョンシート~

秋本:
「また、ちょっと、別の側面で質問します。
上司と部下のキャリア面談を取り組んでいらっしゃると思いますが、キャリアビジョンシートという今後の自分自身のキャリアを描くためのシートも運用されていて、1on1というお話もありました。それ以外に仕事上の面談もあると思うんですけれども、なかでもキャリア面談の目的やテーマ、実施方法、実施の頻度、また、キャリアビジョンシートに関する情報をいただければと思います。」

小山:
「はい。まず、キャリビジョンシートは、年に1回作成して提出します。記載内容については、将来のキャリアビジョンは比較的短期の2年後から5年後ぐらいのものと、中長期の視点で10年後ぐらいまでをどう考えているかを書いてもらいます。ほかにも、現在の仕事の状況、仕事のやりがい、直近の異動希望、また、自分の能力やスキル、保有資格を記載するなど棚卸しもします。このシートに関する面談を上司と本人で、年に1回やっています。」

秋本:
「キャリアビジョンシートは、社員と上司の面談ツールだと思いますが、これを人事に提出して、今後の異動への反映など、どのように活用されているのですか?」

小山:
「実際に異動を希望する人には、その後人事面談を実施し、より深くお話を聴くようにしています。すべての人の異動希望が通ることはありませんが、やはり、ご本人の希望はきちんと踏まえた上でできるかぎり反映させられるように、人事としてはさまざまななことを考えています。」

秋本:
「あと1on1ミーティングがあると思いますが月に1回以上で設定されていて、一方で、キャリア面談は年1回というお話でしたが、住み分けはどうされているのでしょうか?」

小山:
「そういう意味では、メンバーがキャリアについて話す場は、年に1回のキャリア面談だけではなくて、上司との1on1の中でも、キャリアについてきちんと話し合いをしてほしいなと思っています。」

秋本:
「管理職がうまく使い分けをして、併用しながら進めているのですね。」

 

7.参加者からの質問
ここからは、参加者のみなさんから頂いたご質問をご紹介していきます。
~(1)キャリア研修~

参加者:「キャリア研修について、年代によって必須と公募という形に分けてらっしゃると思うのですがなぜでしょうか?」

小山:
「はい、そこは、すごく悩みまして、周りのメンバーともいろいろと話をしました。必須にしてでもやってほしいところなのか、やらされ感でやっても意味がないので自分で手を挙げてきてほしいのか、といったところですね。」

秋本:
「実際はどうでしょうか、自ら手を挙げるケースもあるでしょうし、上司が「行ってこい」みたいなケースもあると思うのですが。」

小山:
「20代、30代については、言われてきた人はほとんどいないんじゃないでしょうか。キャリア教育の影響があるのかもしれません。若手の方は、中堅ベテラン層と比べて、かなり自分自身のキャリアについて関心を持っていらっしゃる層が多いと思います。」
~(2)キャリアサポーター~

参加者:「キャリアサポーターの方は、本業と兼務でやっていて、いろいろな部署、職種、年代、の方がいらっしゃるっていうことですが、その方々のトレーニングはどうされていますか?」

小山:
「はい、年に4回か5回、スーパーバイズの機会に集まって、事例の共有をしたり、ロールプレイをしたり、先生にいろいろと教わったり、というのを定期的に実施しています」

秋本:
「基本的な守秘義務を守っていらっしゃると思いますが、会社には言えない悩みなどの取り扱いで、本当に緊急度を有する場合には、本人の許しを得て第三者に伝えなければならないケースもありますか?」

小山:
「はい、いま秋本さんがおっしゃったとおりかなと思います。何か緊急のことがない限り、会社に伝えることは一切ありません。」

参加者:「キャリアサポーターの方には、非管理職の方もいらっしゃいますか?」

小山:
「非管理職の方の方が多いですね。年代も30~50代までいます。女性の方が少し多いです。」

秋本:
「そうすると、非管理職のキャリアサポーターの方が、管理職の方から相談を受けることもありますか?」

小山:
「はい、あります。相談を受けに来る方はサポーターを選べますので、選ばれたらそれぞれのやり方で、一生懸命頑張っています。」

秋本:
「そういった意味では、社員に選択権があるということなので、自分が一番このサポーターに相談したいなという方にうまくマッチングできるということですね。
それから、キャリアサポート事務局は人事部とは別の組織というお話がありました。実際に組織上の位置づけはどこにされているのか、それからどんな権限があるのですか?」

小山:
「位置付けは、人事から独立した組織ではありますが、事務局の3人は人事部の人間ですので、人事部にかなり近い組織だと思います。権限は、一人ひとりの相談内容について人事部に共有することはないのですが、その中からみつかるいろいろな課題は、『今こういう傾向がありますよ』とか、『こういう課題がありますよ』、『こういう声が多いですよ』と言ったことを、人事部に提言することはあります。」
~(3)面談~

参加者:「面談は1時間程度ということですが、おひとり1回でしょうか?限られた回数の中でどのような効果が見受けられていますか?」

小山:
「ご希望いただければ何回でもしていただけますし、1時間で終わらないときは、そのまま延長するときもありますし、日を改めて続きをやるときもあります。そこは臨機応変にやっています。
効果は、人それぞれと言ってしまえばそれまでですが、初めて受けた方は話をすることで何か整理できた、とか、話を聞いてもらえてよかったという方もいます。具体的なお悩みを抱えている方であれば、適切なアドバイスをもらえたとか、自分では気づかなかった支援を得られた、という人もいます。
普段は上司など、周囲のメンバーと話をしていると思いますが、そうではない立場の違う人と話をすることによって、何らかの気づきを得られるという声が比較的多いのかなと思っています。」
~(4)今後取り組んでいきたいこと~

参加者:「キャリアは自分で開拓するというお話がありました。マインドの変容についていろいろな取り組みをされていらっしゃいますが、今後取り組んでいきたいことも含めてお話いただけますか。」

小山:
「マインドを変えるところがやっぱり非常に難しいと思っています。右を向いている人も、後ろを向いている人も全員左を向かせるみたいなことではないと思っていますが、自分のキャリアは自分で切り拓くことが、ご本人の幸せにつながるのではないかとすごく思っています。私たちにできることは、情報提供や機会提供など、気づきや行動変容につながる支援をすることであり、引き続き取り組んでいきたいと思っています。」
~イベント 最後~

秋本:
「今日は本当にお忙しい中、ご参加ありがとうございました!サッポロビール様からいろいろなお取組みをご紹介いただきましたが、皆さまが今後の施策を検討する上で有益な情報になったものと確信しております。
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