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【Event Report】セルフ・キャリアドックの進め方

イベント

2024.11.11


企業にとって、従業員へのキャリア支援は必須の時代です。国もその具体的な仕組みとして、「セルフ・キャリアドック」の導入を促進する方針を示しています。しかし一方で、企業の担当者からは、「どこから手を付ければいいかわからない」「キャリア支援ができる人材がいない」「導入しても長続きしなかった」といった悩みも聞こえてきます。働く人が自分らしいキャリアを築き、組織全体も発展していく仕組みをつくるには、いったいどうすれば良いのでしょうか。
人事・人材育成制度の構築・運用支援などを通じて、多くの企業の支援を手掛けてきた田中道博さんに、現場目線でのセルフ・キャリアドック導入のポイントをうかがいました。
「6」~「16」の内容は、ダウンロードフォームにご入力いただきますと、PDFデータでご覧いただけます!
6.第11次職業能力開発基本計画
7.セルフ・キャリアドックに関係する法改正
8.セルフ・キャリアドックの実態に関係するデータ
9.セルフ・キャリアドックについてよくある質問や意見
10.セルフ・キャリアドックを導入する流れ
11.セルフ・キャリアドックの社内展開例
12.経営者のコミットメントを得るために
13.キャリアコンサルタントの役割と存在意義
14.従業員と組織の適合
15.今後の社会課題とセルフ・キャリアドックの可能性
16.質疑応答


1.企業活動を取り巻く課題

【登壇者】田中道博 (たなか みちひろ) 氏

株式会社あしあとみらい研究所 代表取締役
大学卒業後、大手旅行会社に入社。その後、人材サービス会社に転職し、キャリアカウンセリングに出合う。企業の人事制度、人材育成制度の構築と運用支援、組織風土改革のための研修・ワークショップの開催など、企業領域での支援を中心に活動している。2018年度より、地方銀行の入行3年目までの方のキャリアカウンセリングを担当するほか、日本マンパワーのキャリアコンサルタント養成講座の講師も務めている。
《保有資格》
・国家資格キャリアコンサルタント
・JCDA認定CDA(キャリア・デベロップメント・アドバイザー)
・1級キャリアコンサルティング技能士
・社会保険労務士
・メンタルヘルスマネジメント検定Ⅰ種

田中道博と申します。今日のテーマである「セルフ・キャリアドックの進め方」について、企業が直面している課題から説明したいと思います。
ご存知の通り、20世紀は「人口増、経済成長も右肩上がり」の時代でしたが、21世紀に入ると人口が停滞から減少に転じ、経済も頭打ちで安定成長の時代になっています。これらの社会の変化は企業経営にも影響を与えます。かつては中央集権的で階層的な組織が一般的でしたが、現代は自律的でフラットなオープン組織が求められています。
こうした変化に対応するために重要なのが「キャリア・オーナーシップ」です。個人が自らのキャリアに責任を持ち成長に主体的に取り組む一方、企業はそれを支援する制度を強化する。個人と企業が共に生産性の向上を実現するのです。「働き方改革」は、時短だけが目的ではありません。働く人の学びの時間を確保し能力を向上させ、組織の発展につなげるのが目的です。個人が主体性とモチベーションを向上させ、企業はエンゲージメントを高める。その結果、生産性が向上します。「セルフ・キャリアドック」もその仕組みの一つです。
*画像をクリックすると、拡大PDFが開きます

2.セルフ・キャリアドックの役割
このセルフ・キャリアドックの役割について、厚生労働省は以下のように明文化しています。
「企業がその人材育成ビジョン・方針に基づき、キャリアコンサルティング面談と多様なキャリア研修などを組み合わせて体系的・定期的に実施することを通して、従業員の主体的なキャリア形成を促進支援する総合的な取り組み。
従業員の仕事に対するモチベーションアップや定着率の向上などにより、企業の生産性向上にも寄与することが期待される」 (厚生労働省)
セルフ・キャリアドックという言葉は、2016年にキャリアコンサルタントが国家資格化した時期に公の文章に登場しましたが、まだ完全に浸透しているとは言えません。キャリアコンサルティングの効果の計測や数値化が難しいのが一因です。今後はモチベーションや定着率の向上といったエビデンスを揃えることが期待されます。国や厚生労働省も啓発活動や支援に力を入れていますから、セルフ・キャリアドックを導入する企業は増えていくでしょう。

3.セルフ・キャリアドックの効果
セルフ・キャリアドックの導入で以下の効果が期待できます。
●「人材の離職防止や定着」
キャリアコンサルティングを受けて、自分の働く意味に気づき、働く意味が明確になる
●「関係調整・対話促進」
面談や研修などでメンバーの関係が良好になり、対話が進む
●「意味付与・価値観提供」
対話により自分の仕事の価値や会社の存在価値に気づき、仕事への誇りを取り戻す
●「モチベーション向上」
仕事や組織に対する見方・考え方が変わり、やる気が向上する
●「上長の意識改善」
面談や研修によって、上司の視点が変わり、マネジメントや部下への接し方も良い方に変化する
●「キャリア開発支援の制度構築」
対話の中で出てきたキャリアに関する意見や要望を制度に反映させる
●「その他(心理的サポート、セカンドキャリア支援、リファー)
心理的に支援が必要なメンバーにサポートを提供する。メンバーのセカンドキャリアについてともに考える機会を設ける。キャリアコンサルタントが対応できない場合、その分野の専門家につなぐ
こうした効果がセルフ・キャリアドックには期待できます。

4.ダニエル・キム博士の成功循環モデル
「関係調整、対応促進」について、次のスライドでもう少し詳しく説明します。
これは、ダニエル・キム博士が提唱する「成功循環モデル」という理論です。右側のバッドサイクルでは、まず「1.結果の質」を求めますが、うまくいかないと「2.関係の質」に悪影響が出て、対立や命令が増えます。すると「3.思考の質」が下がり、創造性が失われ、「4.行動の質」を低下させ、自発的な行動を妨げます。こうして悪循環に陥る組織も少なくありません。
一方、左側のグッドサイクルでは「1.関係の質」を重視し、尊重し合い、信頼し合う組織を目指します。対話を通じて相手や自分への気づきが生まれ、互いのニーズや強みがわかります。これにより当事者意識が高まり、「2.思考の質」が変わります。
すると、行動の自発性と協力が増し「3.行動の質」が向上し、「4.結果の質」にも良い影響を与えます。1+1が3や4になる、これが「成功循環モデル」の示すところです。
結果の質を求めてうまくいかないなら、まず関係の質を高めるべきです。そのためにセルフ・キャリアドックが活用できると私は考えています。

5.個人のキャリアビジョンと経営理念の実現による価値創出
次に「個人のキャリアビジョンの実現」と企業の「経営理念の実現」による価値創出について説明します。
セルフ・キャリアドックの具体的な取り組みを、1対1のキャリアコンサルティングから始めたとすると、これにより、個人のキャリアビジョンが明確になり、同時に組織の課題も明らかになります。その課題に対して、グループワークや研修でアプローチし、経営理念の実現を目指します。企業の最終目標は売上や利益ではありません。経営理念が失われると、従業員には「お金を稼げ」と命じるだけになり、個人のキャリアビジョンが遠のきます。ここを間違えてはいけません。
個人と組織が相互に活性化し、社会的価値を生み出すことがセルフ・キャリアドックの肝です。この取り組みで結果的に利益が上がり、組織が成長し、個人も働きがいを感じ、自己成長が実現します。お互いがハッピーになる仕組みが可能なのです。
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