キャリア支援施策を連動させ、人と会社の成長サイクルを回し続ける ~西部ガスグループ様のお取組み~
インタビュー
企業
キャリア支援キャリア開発キャリコン養成講座修了生企業事例養成講座
2022.11.30
西部ガスホールディングス株式会社 人財戦略部キャリア開発グループ
小川周太郎 様
〇インタビュアー:
キャリアのこれから研究所所長・日本マンパワーフェロー 水野みち
〇執筆:日本マンパワー 浅香孝平
〇設立 1930年
〇事業内容
ガスエネルギー事業、電力・国際・その他エネルギー事業、不動産事業、食関連事業他
〇コーポレートサイト
https://hd.saibugas.co.jp/index.htm
1、西部ガスグループが大事にしている「いつもの朝と、新しい明日を。」
2、西部ガスグループ 人材育成の方針
3、人材育成の重点取組み項目「自律的なキャリア形成の支援」で工夫したこと
4、人材育成重点取組項目「多様な学びとスキル獲得機会の創出」
~リスキリングと自律的キャリア形成支援はセット~
5、自律的なキャリア形成支援の具体策
6、キャリアコンサルタント養成講座での気づき
7、社員が自身の強みをより活かせるようになれば、もっと会社は成長する
1、西部ガスグループが大事にしている「いつもの朝と、新しい明日を。」
朝、ガスコンロのスイッチを押せば火がつき、お風呂の蛇口をひねれば温水が出てくる。そんな、いつもと同じ、だけど大事な「お客さまの日々の暮らし」をしっかり守り、支え続けること。そして、地域とのつながり等を活かし、ワクワクするような新しい明日(新しい価値)を作り出すこと。
「エネルギーとくらしの総合サービス企業グループ」として、チャレンジ精神をもって未来を拓いていこうという思いのもと、このコーポレートメッセージを発信しています。
また、不動産・食関連・介護福祉など幅広い事業に携わっているので、コーポレートメッセージをお伺いして色々腑に落ちました。
小川:ありがとうございます。そのほか、人材育成にも関わる会社の大きな動きとして、2021年4月に、事業体制をホールディングス体制に変更し、地域会社を設立したこと、同年11月に、2030年に向けてのありたい姿を記した「西部ガスグループビジョン2030」を策定したことなどがあります。
2、西部ガスグループ 人材育成の方針
下の図2のように、重点的な取組み項目が5つあり、「自律的なキャリア形成の支援」「多様な学びとスキル 獲得機会の創出」などに取り組んでいます。
また、今までの研修をそのまま横展開するだけでは上手くいかないと思いました。というのも、私は入社して最初の3年間、長崎で営業をしていたので、現場の様子や各グループ会社のリソースが想像できたからです。
そこで、上司とともに、各グループ会社の人事部門・経営層に現在の人材育成の状況についてアンケートを取ったりヒアリングをしたりして、その結果をもとに持続可能な育成のありかたについてかなり議論しました。
3、人材育成の重点取組み項目「自律的なキャリア形成の支援」で工夫したこと
水野:「キャリア」という言葉を聞いた時、関係者の皆さまの反応はいかがでしたか?キャリアの捉え方は人さまざま。「外的キャリア」である職業、地位、資格、年収などをイメージされる方もいれば、「内的キャリア」である働きがい・生きがい、意味、生き様などをイメージされる方もいます。
また、人事の方の中には、キャリアについての教育をすると社員が転職してしまうのではと心配される方もいらっしゃいます。
メンバーと色々議論しながら、下記の定義を決めました。
「働くことを中心としながらも仕事以外の役割も含んだ、自分の人生全般とその生き方」
〇西部ガスグループにおけるキャリア自律
「自分自身にとって豊かなキャリアとは何かを自ら定義して、そのキャリアを獲得するために主体的に行動できている状態」
小川さんのお話は、ほかの企業人事の方にとっても参考になりますね。
4、人材育成重点取組項目「多様な学びとスキル獲得機会の創出」
~リスキリングと自律的キャリア形成支援はセット~
基本的に、リスキリングと自律的キャリア形成支援はセットで考えた方が良いのではないでしょうか。
リスキリングや学び直しの後、その学びを活かすフェーズがあります。そして、活かしてみてどうだったか、フィードバックをふまえた上で将来のビジョンを描くというサイクルを回す必要があると思います。
5、自律的なキャリア形成支援の具体策
(※今年度は中核企業の約1,400名に実施し、来年度以降グループ全体に展開していく予定とのこと)
〇「キャリアデザインシート」と各施策の連動
各施策を単発で行うのではなく、「キャリアデザインシート」が基盤になっていて、「キャリアデザインシート」に書いてある内容を基にキャリア研修を受講したり、様々な学びに取り組んだり、研修やキャリア面談で内省したことを「キャリアデザインシート」に反映したりする仕組みを整えたところです。
6、キャリアコンサルタント養成講座での気づき
でも「ぜひ自分と向き合ってください」ってお願いしました。日頃、キャリアについて内省する機会はなかなか持てないので。
7、社員が自身の強みをより活かせるようになれば、もっと会社は成長する
〇社員のキャリア自律は、新事業の創出にもつながる
その現状が勿体ないなと思っていて、今回のキャリアデザインシートをきっかけに、自分のやりたいことを内省して気づいて、面談で伝えたり、それを聞いた上司が後押ししたりすると、どんどん社員の皆さんのやりたいことができていくんじゃないかなと思っています。
〇社員が自身の強みをより活かせるようになれば、もっと会社は成長する
キャリア自律した社員がしっかりとパフォーマンスを発揮して会社に還元していく。会社は成長を社員への投資にしっかり還元する。そんな会社と社員のいい関係づくりに、キャリア形成支援施策を通じて貢献できればと思います。
法人営業をしながら社内副業でライター、セミナー講師。
最近の楽しみは子どもとスポーツ観戦。
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