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【2026年最新】APCDAカンファレンスとは?マレーシア開催の背景とキャリア開発の潮流(1)

【2026年最新】APCDAカンファレンスとは?マレーシア開催の背景とキャリア開発の潮流(1)

連載記事

2026.6.26

アジア太平洋地域のキャリア開発をテーマとした国際会議、Asia Pacific Career Development Association(APCDA)主催の「APCDAカンファレンス2026」が、2026年4月20日から30日にかけて開催されました。

 

APCDAは、アジア太平洋地域を巡回する形で大会を開催し、各国・地域のキャリア開発実践や研究交流を促進しています。

 

2026年の会場は、マレーシア首都にある名門大学Universiti Malaya
オンラインと現地参加を組み合わせたハイブリッド形式で実施されました。

カンファレンスの概要・内容を、実際に参加した日本マンパワーの五十嵐が紹介します。

株式会社日本マンパワー 五十嵐 賢

株式会社日本マンパワー キャリアドック事業本部CS推進部部長
CDA、国家資格キャリアコンサルタント、認定心理士、GCS認定コーチ

1カンファレンスの概要

 

開催概要(2026年)
開催期間:2026年4月20日~30日
開催形式:ハイブリッド(オンライン+現地)
開催地:マレーシア首都クアラルンプール
主催:APCDA(Asia Pacific Career Development Association)

 

日程構成
4月20日~24日:オンラインセッション
4月27日~30日:現地+ライブ配信

 

テーマ
「Inclusive Career Development in Global Transition(グローバルな変革期における包括的なキャリア開発)」

2026年のテーマは「Inclusive(包括性)」。世界が様々な転換期を迎える中、いまやInclusiveはトレンドでなく、人間性と言えるのではないか、と

APCDA会長のDr. Elisabeth Montgomeryは語っています。

 

今回のカンファレンスでは、

● 誰が労働市場に参加できていないのか(女性、マイノリティ、移民、障がい者)
● 教育・テクノロジーは機会を広げているのか
● AIは格差を拡大するのか、それとも解消するのか

といった問いを軸に、キャリア開発の未来が議論されました。

キーノート・キースピーカー

本カンファレンスでは、政策・教育・社会保障など多領域から専門家が登壇しました。

主なキーノートテーマと登壇者

  • 「持続可能で包摂的なキャリアエコシステムの構築」  William E. Donald
  • 「ホリスティックな人間発達」  Ahmad Zabidi Abdul Razak
  • 「マレーシアの社会保障の歩み」  Mohammed Azman Aziz
  • 「キャリア開発における多様性のギャップをどう埋めるか」  Roberta Borgen
  • 「ケアリングで公正な社会の実現」  Ahmad Shamsuri Muhamad

 

キャリア支援だけでなく、社会政策・教育・企業の連携が重要テーマとなっていました。

2マレーシアの紹介

今回の開催地であるマレーシアは、キャリア開発を考えるうえで非常にユニークな国です。

 

マレーシアはマレー系(約6割)を中心に、中華系、インド系などから構成される多民族国家であり、宗教・文化・言語の多様性が社会の前提となっています。特にマレー系の多くはイスラム教徒であるため、「民族」と「宗教」が密接に結びついている点が特徴です。

 

 

※高層ビルが立ち並ぶクアラルンプール

 

若いマレーシア と 高齢化する日本

項目 マレーシア 日本
平均年齢 30 48
高齢化率 7% 30%
経済成長率 5.2 1.2

※2025年現在

 

マレーシアは、若者中心の「成長型労働市場」

一方で日本は、高齢化が進む「成熟・縮小市場」 と言えるかもしれません。

私は今回12年ぶりにクアラルンプールを訪れましたが、経済成長も目覚ましく、インフラを中心に大きく変化、発展をしている様子を目の当たりにし、感慨深いものがありました。

 

労働市場の構造の違い

マレーシア

  • 労働力人口:約1,700万人
  • サービス業中心(約55%)、製造業(約23%)
  • 外国人労働者(約300万人と言われる)への依存が高い

日本

  • 労働力人口:約7,000万人
  • 製造業(約20%)からサービス業(約70%超)へ移行
  • 人材不足、労働生産性の低さが課題

 

マレーシアは、雇用創出とスキル育成が課題 と言われており、

日本は、少子高齢化による人材確保と生産性向上が課題 と言われています。

多様性という観点

※霊廟やモスク、教会が共存するマレーシアの街並み

 

マレーシアは多民族国家であり、

  • マレー系 (60~70%)
  • 中国系 (20~23%)
  • インド系 (6~7%)
  • 先住民族

といった文化的多様性が前提となっています。

 

エクスカーション(見学会)で訪れたマラッカの歴史を手がかりに、この文化的多様性について少し補足します。

 

マレー半島南部にあるマラッカ。

もともとは、インドネシアから渡ってきた人々によって開発され、東西貿易の要衝地として栄えた街です。その後、イスラム教の浸透、中華系の国際結婚による地盤の強化、ポルトガルによる侵略と支配、オランダ・イギリスの統治、日本の侵攻を経て、マレーシア連邦として独立を果たします。

 

様々な国による統治の中で、多様な文化や宗教を取り込み、国家として成り立っていった歴史的経緯は、現在のマレーシアにもつながっています。

一方、日本は比較的均質な社会といわれており、近年になって外国人労働者や多様性の議論が進み始めています。

 

今回のテーマ「インクルーシビティ」は、マレーシアでは現実の課題、日本ではこれからの課題とも言えそうです。

3カンファレンスの主な論点

APCDA 2026では、以下の領域が横断的に議論されました。

 

※APCDAカンファレンス会場

 

インクルーシブなキャリア支援

    • 障害者・女性・移民のキャリア形成
    • 社会的排除の構造への対応

② AI時代のキャリア

  • 自動化と雇用の再設計
  • キャリアの自己構築(ナラティブ)

教育と労働の接続

  • 学校から就業への移行支援
  • スキル開発と雇用のミスマッチ解消

グローバル視点

  • 国際人材の流動化
  • 地域ごとのキャリア課題

 

APCDAカンファレンス2026は、「包括性」をテーマに、キャリア開発のあり方をグローバルにディスカッションする場となりました。

 

マレーシアだけでなく、アメリカ、カナダ、中国、台湾、ベトナム、シンガポール、韓国、日本など、様々な研究者や実践家が参加していました。

こうした国際的な視点は、今後のキャリア開発や人材戦略を考える上で重要になるでしょう。

次回は、実際のカンファレンスの内容についてお伝えします!

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