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<キャリアコンサルタント有資格者インタビュー> 「組織開発から人の生き方を支援するプロフェッショナルへ(前編)」

インタビュー

個人

2021.7.16


樋口 智行(ひぐち ともゆき)氏プロフィール
大手総合教育機関 人事部 上級部長
キャリアコンサルタント・2級キャリアコンサルティング技能士・CDA

●現在のお仕事について教えてください

私は今、民間の総合教育機関に所属しています。塾・予備校等の運営を通して、幼児から社会人までの一貫教育体系を構築しながら人材育成に取り組んでいます。
その中で私は今人事部にいて、主に採用領域の責任者ということで、新卒採用やキャリア採用を中心に担当しております。また、グループ会社の採用戦略の立案などのマネジメントをすることもありますね。
一方で今は自発的に、組織開発の仕事を自分でやりたいと思ってですね。採用とは関係なくいろんなことを会社に提案しながら、また一方で組織全体のキャリア開発・組織開発も行っていて。組織そのものをカウンセリングしているといってもいいかもしれません。
なので私の主軸は採用なんですけど、一方でキャリア開発・組織開発も行っています。

●キャリアコンサルタント資格取得のきっかけについて教えてください

○3つの転機
これ、日本マンパワーさんにもらった養成講座のスケジュール表なんですけど、実はいつも僕、手帳にずっとこれ入れてるんですね。
私の中の人生の転機を本当に作ってくれた講座なので、今でもこれ常に入れてるんです。
取得のきっかけは端的にいえないんです。三つぐらいの転機が重なったんですよ。
まず第一段階なんですけど、文部科学省が始めたある国家プロジェクトに参加するっていうのがありました。
応募してくる学生さんを選考するのですが、その選考するメンバーを協賛している企業から出すことになって、当社からは私が最初に出て行くことになったんです。
お恥ずかしながら、それまで社外で働くってことはあまりなくてですね。国家プロジェクトに参加して、本当にいろんな業界の、いろんな会社の人事の人たちと関わっていくことがすごく刺激になったんですね。
会社の外に出たことで、自分が身につけてきた、スキルやマインドみたいなところに気づけた。一方で外に出たからこそ、自分も会社の中で安穏としては駄目だな、もっと何か成長しなきゃいけないな、っていう漠然とした動機がそこで芽生えました。プロジェクトの初期から関わっていたので、それが今から6、7年前でしょうかね。
○ベッドの上で
その後、1年後か2年後に、ちょっと病気をしちゃったんですね。いわゆる難聴、突発性難聴ですよ。身動き取れなくて。
それまで私もバリバリ働いていたので、そんなに長く休むっていうことがあんまりなかった。だけど、難聴だから動けないし、治療しなきゃいけないってのもあって、家のベッドの上で寝ていることが多かったんですよ。
そんな時に漠然と、自分って何のために働いてるのかな、これから何のために働いていきたいのかな、みたいなことを考え始めたんですね。
その漠然と考えているときに、スマホでYouTubeを見ていて、あるお坊さんが、東日本大震災の復興「TEDxTohoku」※のプレゼンをやってた動画をたまたま見つけたんです。別に検索したわけじゃなく、たまたま見つけて再生したのですが、見終わったときにね、なんかすごい涙出てきて。
※「TEDxTohoku」:東日本大震災の経験を内外に伝え、震災前から若者の流出などの課題を抱えていた東北の問題が顕在化した3.11を踏まえてスタートした、東北の学生発のイベント
なんでかなと・・・思ったんだけど、こんなふうに人の役に立てる自分に、もっとなりたいな、何か人の人生や生き方にもっともっと何かいい意味や価値を提供できる自分になりたい、単純に言えばこの人みたいになりたいなって思ったんです。でも僕はお坊さんになれないし、別の方法でこれを実現しなきゃいけないなと思って。
そこで自分のライフテーマである「人の生き方を支援するプロフェッショナルになろう」という言葉が、ベッドの上で出てきたんですね。
じゃあ今度はこれを実現するためにどうしようか、っていうのを考える少し悶々とした時間が生まれました。
そんな時に、私、採用でよく行くキャリアセンターの方に、学生のキャリア支援をボランティアでやってるから、手伝ってくれませんか?って声をかけられました。
私、面接官もやってますし、役に立てることあるかなと思って、そこで活動してたんです。その中でキャリアコンサルタントっていう仕事の存在を知ったんです。
それで自分で検索して調べたときに直感で「これだ!」と。これだ、これになりたいっていう。それですぐに養成講座の説明会に参加をして、その場で、自分の中では絶対これやろう、この資格取りたい、と。
その後、家族や上司に相談をしたんです。上司には最初恐る恐る相談しに行ったんですけど、そうしたら思った以上に応援してくれました。家族も上司も「やったらいいじゃん」って言ってくれたので、その後押しもあって、2016年、受講を始めました。それが資格取得のきっかけです。

●「人の一生の記憶に残る仕事をやりたい」

インタビュアー浅川:キャリアコンサルタントの資格を見たときに、当時は直感で「これだ!」という風に思われたとおっしゃっていました。その直感の背景には樋口さんのなにか想いや価値観があったのでしょうか?
樋口氏:そうですね、これは私が学生の時、教育業界を選んだ軸とも変わらないんだと思うんです。その軸は「人の一生の記憶に残る仕事をやりたい」。
せっかく仕事するんだったら、誰がやっても同じではなくて、樋口がいたからこうなった、とか、何か自分の存在や、何か相手の人生に影響を与えていけるような、そういう仕事がやりたいという気持ちがあって、それで教育業界を選んだということがありました。
多分もともとそういうマインドを持ってこの世界に入ってるので、そういう血筋じゃないけど、そういうDNAがあったと思うんですよね。
だけど、仕事をしていくと、どうしても目の前の仕事に夢中になるし、自分の軸みたいなことって、なかなか・・・。今は考えますよ、もう講座も通ったあとですから。でも当時はそんなこと学んでないから。
生徒には、そういうことを考えさせるんだけど、自分は忘れちゃっていました。たまたま病気になったことでそれが思い起こされて。だから、実はものすごく大きく変わったわけじゃなくて、前から持っていた感覚を思い出して、ちょっと表現がアップデートされたっていう感じです。
ただ、なんか「人の一生の記憶に残る仕事」っていうのが自分本位な感じがするなと、そう思ったんです。それで表現をちょっと変えて「人の生き方を支援するプロフェッショナル」に自分で変えたんです。

●講座で得たもの

インタビュアー五十嵐:樋口さんの生きざま、ひしひし感じながら伺っておりました。
講座で得たものはどういうものですか?
樋口氏:講座の中でロールプレイするじゃないですか。その時、自分の基本スタイルでやったら、先生に叱られたんです(笑)「それじゃ駄目ですよ。」って。
私は当時、役職もあったので、会社の中で「それ違うよ」って言われる機会がなかなかなかったんですよね。だけど、講座の先生は当たり前だけどスパッと指摘してくれるわけですよね。
何が違ったかもちゃんと説明してくれて、自分の中でスッキリ腹落ちをしたんですよ。率直に言ってもらえたし、それがすごく良かったかなと思います。
あと得られたものってことで言うと、理論とかを学ぶことって大事なんだなって講座を受けてすごく思っています。
それまでは自分の中の経験値ですよね。例えば、偶然って大事だよねとか、なんでもかんでも思うようにはいかないよねとか。自分の経験上で出てきていた、何かある種の概念とか、法則みたいなものってあるんだけど、でもそれに科学性はないし、根拠も自分の経験しかないから薄いわけじゃないですか。
でもそういったものを講座に出ることで、スーパーだったり、クランボルツだったり、シュロスバーグだったり、シャインだったり。いろんな学びをしていく中で、今までぼんやり油絵のように見えてた、人間のキャリアみたいなものが、クリアになっていく。なんかそれも自分にとってはすごく良かったんですよね。
「そう、そう、そういうことだったんだ」って。結論や結果はなんとなくわかるんだけど、なぜそうなのかって言われちゃうと、何か自信がなかったものが、理論を学ぶことでちゃんと理解できました。
枠組みを持ちながら自信を持って語れるようになっていく。相手を枠組みにはめちゃいけないんだけど、でも自分は持ちながら相手とちゃんと会話ができる、そういう変化もありましたね。
あとはやっぱり、仲間を得られた。それも大きいですかね、さっき言ったように会社の中でどうしても、損得感情じゃないけど、お互いの関係の中で評価する人と評価される人があったりするじゃないですか。
でもそういうものを超えて集まって、一つの目標に向かってみんなで知恵を出し合ったり、お互い汗かきながら実践したりするっていう場や、仲間っていうのは得られたものとして大きいです。しかも大人になってそういう機会ってそうそうないと思うんですよね。講座で繋がった仲間は今も繋がっていますし、お互いの近況報告も時々しあっています。
■樋口さんへのインタビュー後編 こちら