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キャリこれ

日本マンパワー 青木真人「時流をつかみ、お客様の心もつかむ。“つながり”こそが営業のカギ」

インタビュー

社員

2022.1.21


①現在のお仕事内容について教えてください。

人材開発営業部の中の第一営業部という、東京本社の営業部門に所属しています。人事教育担当者をお客様として、キャリア開発研修や組織の風土改革プログラムなどの企画提案を行っています。人材開発の営業職を始めて、あっという間に30年近くが経ちました。
キャリアコンサルタントの資格を取得されたお客様が、資格を活かしながら組織の課題解決を目指すことが多く、ここ数年は、企業内でキャリア相談室を立ち上げる方やキャリア相談の制度づくりをされる方々が増えています。今年は2社のお客様からまったく同時期に相談室の立ち上げをしたいとご相談をいただいたのが、印象に残っています。
キャリア相談室は、運営を継続していただくことがなによりも重要です。組織の中に存在するのであれば、単純にキャリアコンサルティングをする場だけではなく、組織の課題解決に繋がる場でなくてはなりません。導入と継続にあたっては、ご担当者がキャリア支援へ熱い想いをお持ちであることも、経営課題の解決に役立つのだとマネジメント層へご提案することも、どちらも大切です。
相談室は、気軽に課題解決のヒントが得られるような、安心できる場であってほしい。社員全員に周知するには時間がかかりますが、だからこそ私もお手伝いのしがいがあると感じています。

②当社への入社のきっかけは?

当社には中途入社をしています。大学卒業後、金融関係や飲料関係の会社で営業職に従事した後、日本マンパワーに転職しました。ちょうど人材派遣業界が盛り上がっていた頃だったので、派遣業にチャレンジしてみようと思ったのです(※当時、日本マンパワーのグループに「キャリアスタッフ」という派遣業を担う会社があった)。しかし結局派遣の仕事には配属されず、採用の事業に関わることになり、その後異動で営業部門に移り、今に至ります。
営業ですので、数字や目標がある中で提案するというプロセスは同じなのですが、前職の営業先とはお客様が全く異なったので、異動したての頃は苦労しました。大手企業の人事部・教育部門に訪問するような経験はありませんでしたから。
〇青木さんにもそんな時期があったんですね。大ベテランのイメージが強いので、意外です。
もちろんですよ!当時はこちらから何かを提供するというよりも、お客様に教えていただくことばかりだったので、担当者と会って話をすることさえ抵抗がありました。それに比べると、今の若手社員は本当によく頑張っていると思います。ベテランの人事担当者様へ向けて管理職研修やキャリア研修を堂々と提案しているのは、素晴らしいことです。
当時から当社では研修も通信教育も扱っていましたが、「資格の日本マンパワー」と呼ばれていたくらい、研修よりも通信教育のほうが伸びている時代だったので、私もまずは通信教育の営業に力を入れていました。自社の強みである中小企業診断士や社会保険労務士、ファイナンシャルプランナーなどの講座を毎日のように提案しました。
その頃、今の看板商品であるキャリア開発は、ライフプランやシニア向けの黄昏研修のようなイメージが強く、導入されている企業様はまだ多くなかったのです。先進的な企業様でキャリア開発研修が実施され、目的や効果が世間的に認知され始めたのは、本当にここ10年ちょっとのことなんですよ。
〇営業職としてのキャリアの中で、その時々の当社の最も強いところをしっかりキャッチされてきたんですね。
「今現在の自社の強み」は意識し続けているポイントです。研修の営業を行うようになってからは、キャリア開発に強みがあることを活かし、キャリア開発のプログラムを中心として他社との差別化ができるようなサービスを積極的に提案してきました。
人材育成にも流行があります。宅建やファイナンシャルプランナーなどが流行った頃があれば、コーチングが流行った時代もある。キャリアは間違いなく、現在のトレンドと言えるでしょう。お客様が求めているものも当社で提供できるものも時代と共に変わってきているので、変化を逃さずに捉え、柔軟に対応することはとても大切です。当社の強みであり、差別化できて、かつお客様の課題解決ができるコンテンツを見極めること。なんでもできるは、なにもできないのと同じですから。
お客様と関係をつくるためにはお取引が必要ですが、そこで自社の強みのあるサービスを導入いただけると、自信を持って長いお付き合いができると思います。

③青木さんにとっての「自分らしさ」とは?

人とのかかわりを大事にするところ、でしょうか。営業としては、お客様が困ったときには最初にお声がけいただけるような関係を作りたいと思っています。だからこそ、売上や受注には直接結びつかなかったとしても、日々の情報提供など地道な営業活動のプロセスは徹底的に大事にします。私は自主的に人事ご担当者・キャリアコンサルタント資格取得者の方々と定期的に情報交流会を開催しているのですが、それもその一環です。販促セミナーとは違い、中長期的な関係をつくるもの。「お客様と本音で話せる関係性」を築いていきたいのです。
関係性を重視するようになったのは、営業職になってからです。人生において出会える人って限られているじゃないですか。直接会って会話をする人なんて、一生のうちでそう多くはない。もちろん、必ずしもすべての方と良い関係性を築けるとは限りませんが、出会えた方とはなにかの縁があるわけですから、できるかぎり関係を深めていきたいと思っています。
人事担当者の方々は、あらゆるジャンルの読書をする方、セミナーや大学に通われる方、コミュニティを立ち上げる方など、勉強熱心な方々ばかりなんです。そういったお客様に触発されて、私も話題の本をご紹介するようになりました。相互に高めあえるような関係性を築かせていただいていると感じます。
実は、今年キャリア相談室についてご相談くださった担当者の方とは、その方が前職に勤めていらした頃から営業担当としてお付き合いをしていました。ご転職先もたまたま私の営業担当先でしたので、継続してご支援をさせていただいています。全くの偶然でとても驚いたのですが、ありがたいことですよね。
長く営業職を務めていますと、ご担当の方が転職、退職されることはどうしても増えてきます。しかし、情報交流会へ継続して通っていただいたり、転職後も引き続きご相談をしてくださることも多いのです。何か困ったときに頼り続けていただけること、真っ先にご相談いただけることは、私にとっては何物にも代えがたい喜びです。

④青木さんの名刺の色はマゼンタなんですね。選ばれた理由を教えていただけますか。

自分では普段絶対に身に着けないような色なので、あえて選びました!
〇普段は絶対身に着けないから、というのは意外な理由ですね。
マゼンタの小物や服なんて買ったことがありません(笑)。でも選んだのは、今までとは違うことを意識したい、という気持ちの表れかもしれないと思っています。ちょうど60歳という節目の年を迎えましたし、これからは未経験のことにもどんどん挑戦していきたい。マゼンタの色は、まさしくそんな気持ちの象徴です。
マゼンタの意味の一つ「小さいことに幸せを感じられる」というのも良い言葉ですよね。つい先月持病で入院をして、心身ともに健康でいられることのありがたみをしみじみと痛感したばかりなので、より心に響きます。
お客様の中には、社内で名刺の色を選ぶワークショップを行ったとご説明すると、興味を持ってくださる方が結構いらっしゃいます。色の一覧を見せて「あなたなら何色を選びますか?」と質問すると盛り上がるんですよ。好きな色をお聞きすることで、お客様の本当の価値観や興味をお聞きできるような気がしています。今後もこの名刺を、そんなふうに活用していきたいと思っています。

⑤プライベートではどのような過ごし方をされていますか?

コロナ禍以来、自宅で過ごすことが増え、一時期は「カリンバ」という親指だけで弾くピアノに挑戦していたことがありました。それまで楽器とはあまり縁がなかったのですが、CDショップでたまたま見かけて、音色に惹かれたんです。中島みゆきさんの「糸」を弾くために練習を始めましたが、腱鞘炎になり……。仕事にも支障が出てしまったので、現在は休んでいます。
大好きな趣味は温泉、特にサウナです。最近は「整える」なんて言葉もブームになっていますが、私はもう30年以上サウナを愛好しているベテランです。週一回のペースで通っています。サウナで汗を流し、水風呂に浸かってから外気浴をすると、すうっと気分が良くなるんですよ。コロナ禍が落ち着いたらフィンランドへ行って、ぜひ本場のサウナを体験したいです!

⑥今後のビジョンや目標があれば、ぜひお聞かせください!

今春に定年を迎え、再雇用制度で嘱託として働くようになりました。定年前と変わらず営業職を続けていますが、このまま65歳まで働き続けるのか、働き方を変えるのか、今まさに考えている最中です。勤務日数を減らし、仕事にプラスアルファして自分のやりたいことにチャレンジしてみるのも魅力的だと感じています。
まだ具体的な話ではありませんが、地域活動に興味があります。町おこしなど地域のことや介護のこと、人とのつながりについて学べるような場が地元にあり、気になっているんです。
まだまだ営業職として働いていきたい気持ちもありますので、仕事を継続しつつ、地域のことにも徐々にかかわっていけるといいですね。そのためには健康が第一。日々の適度な運動と食生活は見直していきたいです。
営業の仕事に関しては、コロナ禍を契機に新たなスタイルを生み出していかなくてはならないと感じています。私の中ではまだまだ満足のいく答えが出ていないので、Z世代の後輩たちの力を借りながら、新たな営業方法、研修手法を考えたいです。今後も時代に合わせてさまざまな方法が出てくると思うので、過去の成功にこだわることなくあらゆる手段を試し、取り組んでいきたいと思っています。