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「いけばな創作」で“イノベーションの壁”を越える

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2022.10.7


先だって放映されたNHKスペシャル「“中流危機”を越えて」は大きな反響を呼びました。そこでは、日本企業がグローバル競争で勝ち抜くためにイノベーションを起こす必要性が、改めて問われました。
日本マンパワーと草月流が共同開発した「いけばな」のワークショップには、イノベーションを生み出す上で効果を発揮する多くの要素が盛り込まれています。
では「イノベーション」は、どのように生み出されるのでしょうか?
「イノベーションの父」と呼ばれる20世紀を代表する経済学者であるジョセフ・シュンペーターは、それを「新結合(=これまで組み合わせたことのない要素を組み合わせることによって新たな価値を創造すること)」と定義しました。
この新結合を実現するために必要なスキルとしては「VISION(構想を描く)」「Diversity(多様な人たちとコラボレーションする)」「Agile(小さな失敗を繰り返す)」などが挙げられます。しかし、イノベーションを発揮する上でクリアしなければならない2つの課題があります。

イノベーションを発揮する上でクリアしなければならない課題

課題の第一は、「スキルを発揮するための“”OS”となるマインド」
こうありたい、こうしたいというマインドのないまま、表面的なスキルのみで試してもイノベーションは実現されないでしょう。これまでの「いけばな創作」のワークショップ実施後のアンケートでは「全体をイメージする」「自分や他者を受け容れる」「失敗を恐れずチャレンジする」など、イノベーションを発揮する上で必要とされる、こうしたマインドへの気づきが多く見られました。
前提条件の第二は「いま、日本人が克服すべき習性」です。日本マンパワー・キャリアのこれから研究所のウェブマガジンでは、様々な変革が一挙に進む中で、働く人たちの能力開発の現在地をレポートする「学びのこれから」という連載を開始しました。
その中でインタビューさせて頂いた、グローバル経験と知見を豊富にお持ちの早稲田大学・池上重輔先生は、日本人固有の特徴として「正解のあるものを求めようとすること」と指摘されました。
■池上先生の記事「正解を求めない『自分の学びのスタイル』を創ろう」は、こちら
「正解のない時代」となったいま、この特性はリスクをはらみます。この点でも、本ワークショップ後のアンケートでは「正解を求めたくなる自分の特性」や「正解を求めず、変化を楽しむことの大切さ」を実感したという回答を頂きました。
本ワークショップは、個人の創作とチームでの創作を数時間の間に行って頂きます。限られた時間の中で個人とチームが試行錯誤しながらONE and ONLYのカタチをつくるプロセスは、まさに新規事業開発のそれと同じです。現在、モノカルチャーに染まった組織の外を経験して、自分を相対化し客観視する「越境学習」の必要性が高まっていますが、本ワークショップは、その効果を短時間で体感する効果があるとも言えそうです。

日本人が本来持っている感性を取り戻しアップデートする

そして、本ワークショップで体感して頂きたいもうひとつのポイントは「日本人が本来持っている感性を取り戻す」ことです。「いけばな」は、日本発祥の芸術として全世界に広がりました。仏教伝来に際し花を献じる供花から生まれたとされます。自然に敬意を払いそれを造形化する感性は日本人ならではのものです。新型コロナによって、一人ひとりのニーズに応じた柔軟な働き方や、「エコシステム」としての組織の在り方が求められる今だからこそ、この感性を発揮する必要があります。
また、SDGsが叫ばれ、企業が発展していくために地球環境へ配慮した持続可能性が何よりも重要とされている点からも、日本人が本来持ち合わせている感性を取り戻すことは大きな強みとなるでしょう。
そして、感性は時代に適応してアップデートしていく必要があります。実はそこに、草月流が本ワークショップの開発に加わってくださっている意味があります。
草月流は、1927年に創流された新しい流派ですが、現在では三大流派の1つとして位置付けられています。いけばなの伝統を尊重しながら、それに縛られることなく様々な芸術領域とのコラボレーションに挑戦してきました。いけばなの流派の中で唯一、現代アートにも位置付けられています。日本人ならではの感性を活かしながら革新を実現してきた草月流だからこそ、本ワークショップが企業にイノベーションをもたらすものになると確信しています。
本ワークショップは、イノベーションへの大切な「入り口(導入)」としての効果を発揮します。「なぜ、いけばなでイノベーション?」と思われる方にこそ体験頂き、日本が本来持っている感性を現代にアップデートさせ、イノベーションに挑戦して頂きたいと思います。

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