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イベントレポート 「大鵬薬品工業様の事例から学ぶ キャリア支援の体系づくりと部下のキャリア支援に対する上司へのサポート」(後編)

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イベント

2023.5.26


2023年2月21日、大鵬薬品工業 人事部の清水様をお招きし、「キャリア支援の体系づくりと部下のキャリア支援に対する上司へのサポート~上司と部下の良好な『キャリア対話』を目指して~」というテーマで大鵬薬品工業様のお取り組みをご紹介いただきました。
その大好評だったイベントのレポート後編をお送りします!

重要施策3:学びたい時に自由に学べる体制/環境を作る~社員が自由に学べる体制整備に向けて~
清水:「社員が学びたいときに自由に学べる体制を整える上で重視したことは、人事部からの強制ではなくて、現場の自主性に主軸を置くことです。キャリアは強制されて考えても自己探索は深まりません。強制されると業務になってしまい、表面的にとりあえずの内容で収めてしまいがちなので、できるだけこの強制感を出さないように進めようと思いました。これまで35歳、47歳といった特定年齢で強制参加としていたキャリア開発セミナーも2022年より30-40代社員が自由に参加できる公募型キャリアデザインセミナーに変えました。

ワークショップの自走化にチャレンジ
清水:「今年は、テーマ別ワークショップの自走化に向けてのチャレンジも始めました。キャリアに関するワークショップの内製化は初めてだったため、日本マンパワーさんにワークショップの作り方をコンサルティングしていただき、まずは、昨年末に実施した公募型キャリアデザインセミナーのフォローアップの位置づけで、コアスキルをテーマにしたワークショップを企画しました。
このワークショップでは、公募型キャリアデザインセミナーで探索した自身のコアスキルを持ち寄って語り合うことで、そのスキルの活用法などをさらに深めて考えることを目標としています。
嬉しいことに、募集をかけたらあっという間に満席になり、とてもいいスタートが切れました!」

「オープンにキャリアについて語れる風土」に向けた今後の展望
清水:「ここで、去年8月に実施したキャリアを考えることについての社員アンケート調査の結果をご紹介します。キャリアデザインシートに取り組むときは消極的であっても、実際作成してみたら得るものがあったと回答した社員が半数以上をしめ、キャリア面談に対しても、有意義だったという回答が79%でした。
これをみて、これまでやってきた活動を広めていいんだなと、背中を押された思いがしております。また、キャリア面談に対しては、有意義だったという回答が79%でした。
そして、キャリア対話はコミュニケーションの活性化に繋がる、キャリアを考える時間は仕事人生を歩む上で大切だと思うという声が全体の9割近くにのぼり、キャリア対話やキャリアについて考えることの重要性が社員の中に広く理解されつつあることも感じられた調査でした。」
清水:「そして最後に、キャリア支援担当の私個人としての願望なのですが、最終的には、組織の人財ニーズと社員のキャリア希望を両方オープンにした上でのジョブマッチングシステムが構築できたらいいなと思っています。
組織ニーズと社員希望の両方をオープンにすると社員にも組織にも健全な競争力が生まれ、社員側の自主的な学びの促進や、組織側の人財育成施策のブラッシュアップにつながると思うからです。
社員と組織がともに成長力に満ちた状態でマッチングされたら、相乗効果で、会社をすごいパワーで発展させるのではないかと。
こういったジョブマッチングシステムを構築するための基盤としても、社員同士や上司部下がキャリアについてオープンに語り合える風土をもっと醸成していきたいと思っています。

セミナー参加者からの質問
清水さんのご講演後、参加者からたくさんのご質問をいただきました。いくつかご紹介します。
Q1:正直、現場は忙しいのに、管理職はいろいろやらなきゃいけないのに、などの声はあありましたか?また、そういった声にどう対応されましたか?
A1:そういった声はまだまだあると思います。ただ、ちょっと考え方を変え、うまくいっていない部署に介入していくのではなく、積極的にやろうとしている部署に対しての支援に注力するようにしました。
人事からの指示で「やらされ感」でやってもなかなかうまくいかない。それより、隣の部署の部長が「こういうのやってみたら良かったよ」って言うと、割とみんな取り入れてくれるんです。
なので、ポジティブにやろうとしている部署に、「こういう講習もやりませんか」とか、キャリア支援に興味を示している上司に向けて、「キャリア支援のためのセミナーもできますよ」と声をかけて、支援を強化していくことで、良い口コミを広げていくことを意識しています。
Q2:現場の自走についての工夫や心がけていることはありますか?
自主性に任せるといったところで、一番心配だったのは、キャリアに対してまったく関心を持ってない人達が置いてきぼりになってしまうことでした。そのため、気軽に参加できるよう、ウェビナーを一時間で実施するとか、カメラオンは無しで聞くだけでもOKとか、参加のハードルを下げ、できるだけみんなが参加しやすいように心がけています。
まずは、キャリアに関心を持ってもらうことからだと思いますので、これからも、業務の都合を考慮して、途中からの参加や途中退出をOKにする等、より参加しやすいルールにして、発信を続けたいと思います。
~最後に、ライターから一言~
大鵬薬品工業様では、社員が自らのタイミングでキャリアを考えることができるよう、自律的なキャリア支援施策に方向転換された際、社員がキャリアを考えるための支援者として現場の上司を巻き込むという施策を軸にされました。その時、「キャリア支援」を「対話の文化醸成」という全社方針の文脈に合わせていったことは、施策を軌道にのせるためにとても重要であったと思います。
清水さんのお話を伺う中で、軽やかさと堅実さがとても印象に残りました。
対話という全社方針を機敏に取り入れていったり、上司向けワークショップをテスト感覚で実施してみたりというフットワークの軽やかさ。
一方で、各施策において、誰一人取り残すことがないよう粘り強く努力されたり、社内の仲間を増やしたり、事後アンケートのチェックを欠かさずに、着実にPDCAを回して施策を進められるご様子に堅実さも感じ、施策を進める際、軽やかさと堅実さは両方必要なのだと感じました。
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