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【無料サマリーDLあり】新入社員意識調査2023-新入社員のキャリアのこれから- 結果報告

調査研究

調査

2023.8.17


はじめに

日本マンパワーでは、この4月に2023年度の新入社員500名を対象に、新入社員のキャリアへの意識や働くことの価値観に関するアンケートを実施しました。新入社員へのフォロー施策や、来年度の新入社員研修プログラムの検討にぜひお役立てください!
<調査結果のサマリーを無料でダウンロードできます>
こちらより、当調査のサマリーをダウンロード可能です。ぜひご活用ください!

① 学生時代の「キャリアに関する授業」を昨年よりも役立てている様子(Q2)

昨年と同様、回答者の6割以上が学生時代にキャリアに関する授業を受講しています(Q1)。この授業に対する印象を尋ねた結果、今年は「自己理解が深まった」との回答が2.9ポイント増加し、「よくわからなかった・あまり役に立たなかった」との回答は3.4ポイント減少。昨年よりも、キャリアの授業が自己理解に役立つと感じている傾向が強まっています。
来年以降も、学生時代にキャリア教育を受講した新入社員の数は増えていくでしょう。そのような流れの中「キャリア」の認識に関して、新人世代とキャリアに関する教育を受けてこなかった上司世代とのギャップがさらに開き、課題となる可能性もあります。人的資本経営への対応として、キャリア支援を強化する一環で1on1や上司と部下のキャリア面談を取り入れる企業が増えていますが、上司自身へのキャリアのインプットも非常に重要です。まずは上司にキャリア研修を受講してもらう、キャリアコンサルティングを受けてもらう、といった施策は、社内におけるキャリア支援の浸透のみならず、これからの新入社員の受け入れにとってもプラスになるでしょう。

②働く上で最も大事にしたい価値観は「心地よい環境にいること」が昨年に引き続き1位に、「人の役に立てること」は3位に(Q16)

2010年の調査開始以来、継続して尋ねている「働く上で最も大事にしたい価値観」では、今年も「心地よい環境にいること」が22.4%で第1位に選ばれました。
第2位は「自分の能力を発揮すること」が昨年の2位だった「人の役に立てること」を上回りました。その後も「自分の望む生き方ができること」と、例年も回答数が多い選択肢が続きます。昨年の2位(14.8%)、一昨年時の1位(25.4%)だった「人の役に立てること」が、さらに順位を落として3位(12.0%)にまで下がっている点は、大変興味深い結果です。Z世代は社会課題解決への貢献を重視するとの調査結果もありますが[1]、先々の見通しが効かず、なにかと不安要素の多いVUCAの時代だからこそ、まずは安心できる「心地よい環境」を確保し、自分自身を大事にしたい、という若手世代の想いが透けて見えるようにも感じられます。2023年のZ世代のトレンドとして「セルフケア」が注目されていることとも関連付けられるかもしれません[2]。

[1] Z世代が消費を変える 「買い物で社会貢献」3割:日本経済新聞(2022.01.01)
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC14APU0U1A211C2000000/
[2] 23年のZ世代トレンドはどうなる? 新キーワードは「セルフケア」:日経XTREND(2023.01.11)https://xtrend.nikkei.com/atcl/contents/18/00761/00006/

③ 会社を選んだ本音の理由第1位は「自分のやりたいことができるから」、第2位は「給与・待遇が良いから」(Q4)

会社を選んだ本音の理由は、昨年2位だった「自分のやりたいことができるから」が前年から4ポイント増加し、最も多い回答となりました。
2位は前年比6ポイント増えた「給与・待遇が良いから」。昨年1位の「社内の雰囲気や人間関係が良さそうだから」は前年から6.8ポイント減り、3位となりましたが、依然として上位を保っています。一方、「今後へのステップアップのため」という回答は前年から3.4ポイント増加。自分のやりたいこと、給与、そして今後のキャリアを意識した、より現実的な会社選びをしている様子が見受けられます。

④ 将来の自分イメージを持っている新人は8割弱、副業への関心も高まる(Q6)

続いて、将来の自分像についての質問です。「出世は希望していない」も含め、何らかの将来イメージを持っている新入社員は8割弱に上っています。管理職になりたい方が2割弱いる一方、専門職になりたい方、出世を希望しない方もそれぞれ2割おり、将来像には比較的個人差があるようです。
また、「副業しながら働きたい」を単一選択式の設問で14%の方が選んでいることも、大変興味深い点です。前年から3.4ポイント増え、関心の高まりが見られますので、引き続き注目していきたいと思います。

⑤ 4割以上が現在の会社を「10年以内に辞める」見通しを持っている(Q7)

昨年同様に、10年以内に4割以上の方が現在の会社を退職する見通しを持っていることがわかりました。
コロナ禍も一段落し、転職市場はますます活性化しています。早期の離職を防止するためにも、職場の関係の質向上をねらった社員交流・チームビルディングや、従業員へのキャリア支援、働きやすい環境づくりなど、エンゲージメントを高める施策の導入が引き続き重要になるといえます。新入社員・若手社員に対しては早期にキャリア啓発を行い、自らの強みや価値観を活かして社内で活躍する具体的なイメージを持たせることも有効です。

⑥ 仕事への期待を持つ方が増え、不安を感じる方が減少傾向に(Q9)

仕事に対する期待と不安に関する調査では、昨年と比較して期待を感じている回答が増え、一方で不安を感じている回答が減少しています。これにはコロナ禍が落ち着いてきた影響も大きいのかもしれません。「少し期待を感じている」は前年比6ポイント増加し、「かなり不安を感じている」は前年比6ポイント減少しました。

⑦ 仕事の期待として「職場での人脈形成」「同期との絆・つながり」に注目が集まる(Q10)

それでは、新入社員が感じている具体的な期待を見てみましょう。仕事に対する期待として、今年最も多かったのは昨年同様に「自分の成長」でした。特に注目すべきは「職場での人脈形成」「同期との絆・つながり」に対する「少しあてはまる」という回答が増加している点です(「職場での人脈形成」は8.3ポイント増、「同期との絆・つながり」は7.3ポイント増)。
コロナ禍の影響で、当社でサービスをご提供させていただいている企業様からも、社内コミュニケーション不足や、コロナ入社世代のコミュニケーション課題を抱えているとの声が多数上がっています。社内交流(レクリエーション)の実施やチームビルディングを強化するニーズが高まっていますが、新入社員側も同じくコミュニケーションを求めているといえるでしょう。

⑧ 仕事の不安として「自分の能力不足」が昨年よりも増加傾向、職場の人間関係への不安も増加(Q11)

一方、仕事に対する不安としては「自分の能力(知識・スキル)不足」が昨年同様に今年も最多となり、3.3ポイント増加しました。⑦と合わせて今年特に注目したいのが「職場の人間関係」に対する「あてはまる」回答が7ポイント増えている点です。先ほどの結果では「職場の人間関係」に期待している新人が増えていることがわかりましたが、不安を感じている新人も多いようです。人事担当者としては、同期・先輩社員・上司とスムーズにコミュニケーションが取れるよう、たとえば交流のイベントを企画するなど、アシストすることもひとつのポイントと思われます。

⑨ 昨年以上に上司からの興味関心に期待する社員が増加(Q12・13)

理想の上司と、上司に求めるコミュニケーションについて尋ねた結果、理想の上司の要素として「自分に興味を持ってくれる」が昨年より6.8ポイント増加、「理想を追求する」は同4.4ポイント増加しています。
上司に求めるコミュニケーションでは「困った時には助けてほしい」が3.6ポイント増加し、逆に「たまに様子を確認してほしい」「できればコミュニケーションは取りたくない」の双方が2ポイント以上減少しています。昨年と比較すると、上司から自分に興味関心を寄せてもらうことへの期待が高まり、より細やかなコミュニケーションを求めている様子が伺えます。

<まとめ>

今年の新入社員は、四年制大学の卒業者であれば、大学二年生から四年生の間をコロナ禍で過ごした方々が多くを占めています。学生時代にリアルな交流を行う機会が限られていたためか、他者とのコミュニケーションを強く求めている傾向が見られます。職場での人脈形成や同期とのつながりづくりなど、交流に期待を寄せる一方で、職場での人間関係に不安を持つ繊細な一面も持っています。企業側からもコミュニケーションの機会を十分に与え、無理なく交流を図れるよう助け船を出すことが、職場定着、良好な人間関係の構築の一歩になります。
また、新入社員の自己成長に対する支援も重要です。自己成長が感じられないと不安や意欲の低下を招く恐れがあります。早い段階から経験学習サイクル(※経験から学び成長するプロセスを理論化したもの。デイビッド・A・コルブによって提唱された経験学習理論をベースとする)を習慣化させることは、成長実感の醸成に役立ちます。併せて、フォロー研修などのタイミングにおいて社会人としてキャリアを考えることの意義や意味を伝え、「働く」ことに関するポジティブな姿勢を育むことが、新入社員の主体的な行動と成長を促進し、自律的なキャリア形成ができる社員の育成につながっていくでしょう。
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<調査概要>
調査期間:2023年4月
調査方法:オンライン上での選択式アンケート
調査対象:2023年4月に新卒入社した新入社員
回答数:500名

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