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謎解きから始める、教え学び合う組織づくり 「謎解き×対話で”チーム”を学ぶD-RPGチーミング」CTCテクノロジー様 導入事例

インタビュー

企業

2023.10.27


昨年のリリース以来、新入社員研修や若手社員向けの研修として実施のご依頼がますます増えている「D-RPGチーミング」。今回は、今年4月に新入社員研修として導入いただいたCTCテクノロジー様に、導入背景やご感想を伺いました。新入社員の関係性づくりや若手社員のコミュニケーション不足が課題の方は必見です!

※左上から時計回りに、野々村様、鈴木様、五箇様
〇ゲスト
CTCテクノロジー株式会社
人事部 採用・育成課
鈴木 孝夫 様 野々村 覚 様 五箇 聡美 様
〇インタビュアー・編集
株式会社日本マンパワー マーケティング部
中村 裕 小池 由里子
株式会社日本マンパワー 人材開発第1営業部 東京2課
川波 徳一郎
<今回導入いただいた研修概要>
新入社員の方99名を対象に、謎解き×対話で「チーム」を学ぶ『D-RPGチーミング』研修を実施いただきました。3ヶ月間という長期の技術研修が始まる前に、新入社員同士の横のつながりを深め、お互いに教え、学び合う意識を醸成することをねらいとしました。

1)はじめに、皆さまのミッションを教えてください。

鈴木様(以下鈴木):2020年から人事部に所属しており、内定者、新入社員研修から階層別研修、キャリアデザイン研修まで、社内の人材開発にかかわる研修の企画運営、立案などをすべて手がけています。新卒採用も一部も手伝っており、インターンシップや内定後の集まりなどでワークを実施することもあります。
野々村様(以下野々村):私は2019年に中途入社しました。前職までは同じ人事の中でも主に給与計算や労務関連に携わっていたのですが、領域を広げたくなり、元々興味のあった育成分野で転職してきました。現在も研修の企画運営など人材育成をメインで担当しています。その他、インターンシップや新卒採用のサポートのほか、キックオフなど、社内行事の司会なども担当しています。
五箇様(以下五箇):2022年から人事部に所属しています。事務面の業務の他、鈴木や野々村と共に研修の設計や企画運営にも携わっています。人事部として、人の成長をいかに支援できるかを日々考えて業務に臨んでいます。

2)CTCテクノロジー様の教育や人材開発において、大切にされていることを教えてください。

鈴木:重要視しているのは経験学習です。以前、私がエンジニアの頃は、システムトラブルがお客様のサービス影響となるケースがあり、そのような修羅場を経験することで、ITスキル、ヒューマンスキル、コミュニケーションスキルなどを自然と習得できました。今はそのような状況が許されない時代となり、経験することができないがゆえに、少ない現場経験から多くのものを持ち帰って自らのものにする必要があります。また、先輩社員へ同行してスキルを盗む機会も少ないので、すぐには技術スキルをアップすることが困難です。一方で、当時よりも何倍ものスピードで技術革新が行われている。だから、とにかく経験学習が必要なんです。そのためにも、全ての階層別研修において経験学習やキャリアデザインのエッセンスを取り入れています。自分を振り返り、経験を自分のものにする仕組みとする、そんな意図で研修設計をしています。
野々村:今年度から人事制度が改定され、求める人材像や育成方針も変更しました。求める人材像は「自らの成長と多様性を活かし、新たな価値を創りだすプロフェッショナル」。プロフェッショナルは従来大切にしてきたキーワードでしたが、さらに主体的に自分を磨き上げて、新たな価値を作っていくプロフェッショナル集団になっていこう、という思いを込めました。そんな組織になるためにも、社員一人ひとりの能力開発スキルの向上には徹底して力を入れています。
五箇:経験学習サイクルを回すためにも、上司に行う研修前の事前説明には気を配っています。トレーナー1人で新人の育成をするのではなく、組織全体で育てていくという意識付けができるよう説明会の中で話をしたり、社内で共通言語化できるよう推進しています。今後は、研修実施で終わらせず研修後の対話や面談、フォローの機会を作っていき、より研修での学び、学習のサイクルを回せるように設計したいと考えています。

3)「D-RPGチーミング」の導入理由、導入の決め手を教えてください。

鈴木:新入社員同士の深い横のつながりを作りたかったからです。その背景には、今年度新人研修期間を2ヶ月から3ヶ月に延長したことがあります。なぜ延長したかと言いますと、IT技術の基礎をしっかりと身につけてから、現場へ配属する必要があるからです。そのために、実機に触れる研修を増やしました。また、ここ数年の新入社員は入社後半年ぐらいたっても、忙しそうだから、とトレーナーへの声かけを我慢していることがよくありました。質問があってもまず予定を確認し、空いていそうであれば連絡を入れるなど、とにかく遠慮していた。その後もフォローアップ研修等を行いましたが、在宅勤務がメインの社員はなかなかコミュニケーションをうまく取れないなど、内面的な部分が育っていなかったんです。2年間そんな様子を目の当たりにし、このままではいけない、と新入社員研修をブラッシュアップすることに加えて、OJTトレーナーにもしっかり学んでもらう研修を準備しました。
まずは3ヶ月間で目指すテーマを「新入社員の自律を促すとともに、“ともに学び合う関係”への発達に向けた行動変容を促す」と定め、インストラクショナルデザインを設計しました。
※CTCテクノロジー様よりご提供
ゴールとしたのは「職場ぐるみで育成すること」、「トレーナーとトレーニーが互いに切磋琢磨すること」。中原淳教授の職場学習論も参考にしました。ここ数年の新人研修の課題として、トレーナーのモチベーションが下がっていることやコミュニケーション不足があったので、我々育成担当が担任制できめ細かく様子を見たり、トレーナーとトレーニー同士でエニアグラムを使った自己理解・他者理解を行ったりしました。
そのような構成の中で、マナー研修よりもまず先に、新入社員同士の仲間意識をつくりたいと考えていたところ、タイミングよくD-RPGチーミング研修を提案いただいたので、導入を即決しました。
野々村:今年の新入社員が99名というかなりの大人数だったこと、昨年よりも研修期間が1ヶ月長くなったことで、グループで協力をし合いながら研修を進める場面が増えるので、まずは新入社員同士の繋がりを深める必要があったんです。インプット型の研修ではなく、謎解きという若者にとって親しみやすいコンテンツだったのは大きな決め手でした。昨年の新入社員からも、交流する時間がもっと欲しかった、という声が多くあったことも後押しになりましたね。
五箇:まずは自己理解をし、そこから他者理解を進めてほしい、という我々の思いが、今回の研修と非常にマッチしていたのは大きかったと思います。

4)導入してよかったと感じたところをぜひお聞かせください。

野々村:初対面にもかかわらず、役割分担をして自分の強みを開示し、協力しながら目標達成できたことは、すごく良かったと思っています。コロナの対策として距離感を取りましょう、なんてアナウンスしていましたが、そんなことおかまいなしに、全員机に前のめりになってやっていましたから(笑)。本当に楽しんで取り組んでもらえましたね。
五箇:良かったのは、繋がりづくりと自己理解の両方を一気に進められたところです!去年も技術研修を行うにあたってはこまめにクラス替えをしたり、対話する機会を作ったり工夫していたつもりでしたが、実際には黙々と1人で取り組む人が多く、互いに教え合ったり、わからないことを質問したりといった、同期同士での関わりがすごく薄かったんです。今年はこの研修を実施したおかげで、「チーム」という意識を醸成できたと感じています。
川波:研修翌週に五箇さんへお電話差し上げた際、受講者の様子が変わった!と興奮気味にお伝えいただいたのが印象に残っております。
中村:「謎解き」というゲームの要素があったからこそ、学びに繋がった、と感じたことはございましたか?
鈴木:入社3年目くらいまでの若手社員は、初対面同士ですとなかなか会話を始められない傾向にありますが、この研修は、役割分担をしないと、コミュニケーションを取らないとゲームが成立しませんよね。謎解きをする人、資料を整理する人、予算を取りに行く人など、他者との関係性の中で自分の役割を決めて、その責任を果たす。グループダイナミクスと言いますか、リードする、フォローする、サポートするといった主体的な役割分担を、謎解きという遊び感覚の中で実践できる場は素晴らしいと感じました。
野々村:一般的なケーススタディの場合、やったことのないことを想像しながら取り組むことになると思うのですが、このワークは「誰をターゲットにした遊園地を作るのか?」というワクワクできる目標が立てられており、新入社員にとっても具体的に考えやすかったのではないでしょうか。また、楽しさはありながらも、コミュニケーションのポイントや仕事のやりがいといった要素が表現されていたのも良かったです。全員参加型で進むので、ハイタッチしたり、自然と承認し合うことができたのも、素晴らしい特徴だと感じています。
五箇:ゲームだったから自己開示ができた、素の自分を出せたと話してくれる参加者が多かったです。ケーススタディなど、実際の業務に寄せた形で実践することもできたかもしれませんが、そうすると取り繕ってしまう人もいたのではと思うのです。ゲーム性があることで素の自分が出せて、それが自己理解や他者理解に繋がったのではないかと思います。
鈴木:参加者全員から、協力したい、参加したい、責任を果たそうという意欲をひしひしと感じました。短時間でそういった雰囲気を作れることと、真剣な受講者の取り組み様には驚かされました。

5)「D-RPGチーミング」の実施にあたって、工夫された点はありますか?

野々村:入社式のガイダンスでまず、横の繋がりの重要性を伝えました。新人研修期間が終了する3か月後のありたい姿として、99人全員が1人でも多く交流を持ち、横の繋がりを深めていきましょうと。シェアードリーダーシップの話もしました。お互いに何もわからない状況下で、初めての実習としてこの研修を行ったタイミングそのものも工夫のひとつです。その他は、今後の経験学習サイクルを習慣化するために週報を使ったこと。研修単体で終わらせるのではなく次に繋げていく、という意識や、内省力、言語化能力も養われたと思います。

6)受講者からはどのような反応がありましたか?また、受講後にどのような変化がありましたか?

野々村:「新人研修期間中に行った研修の中で、特に印象に残っているプログラムは何か」とアンケートで聞いたところ、この研修が非常に多く挙がっていました。具体的なコメントでは「チームで協力することの大切さを学んだ」「相手のことを理解し、得意・不得意な分野を把握して、役割分担をし、成功へ繋げていくプロセスを学べた」「初対面だったがとても雰囲気が良く、同期と距離を縮められた」「友達ではなく仕事の仲間としての意識が芽生えた」という声がありました。
目標に対してチームで一つのことに取り組み、成果を得る喜びや難しさ、そして達成感を実感しながら取り組んでいたことが伺えました。
五箇:この研修の後に実施した技術研修もグループ単位で行ったのですが、その際の週報にも「今回の研修は自分の得意分野なので、それを皆に還元したい」「自分だけが理解できれば良いのではなく、チームメンバー全員が同じレベルに到達できるように、自分から教えていきたい」といった、チームをとても意識した言葉が頻出していました。実際に、お互い教え合ったり、同期皆で成長していこうという姿も良く見られ、新人研修の一番初めというタイミングで実施したことが非常に重要だったと感じました。
中村:本題から少し逸れてしまいますが、ここ数年での新入社員の変化などは感じられていますか?
鈴木:対面で研修を実施するようになって感じたのは、Z世代の底力です。Z世代についてよく言われている、打たれ弱いとかプライベートを重視しすぎるといった、ネガティブなキーワードに敏感になりすぎていたかもしれません。特に大きな気づきは、目的が腹落ちすると素晴らしいパフォーマンスを発揮するということ。生まれた時からネット環境が身近にあり、選択肢がたくさんある中で育ってきているので、目的を重視するんです。そこで今期は、当社の創業時からの成り立ちから、会社の存在意義は何なのか、CTCテクノロジーのDNAをまず伝えました。研修一つとっても、なぜこの研修を実施するのかを説明しました。彼らが成長した暁には、我々の比ではないくらいの成果を上げてくれるはずです。

7)このプログラムを他社様が導入される際のアドバイスがありましたら、教えてください。

野々村:我々と同じく同期間のつながりをつくりたい企業様、特に対象者が大人数であればあるほどおすすめです。99名という大人数で一気に取り組めたので、グループ醸成が進んだと思います。また、一般的なケーススタディよりも取り組みやすいはずなので、チーム内でのコミュニケーションや仕事の進め方、時間管理といった社会人の基礎を身に付けてもらいたい企業様に勧めたいです。
鈴木:チームワークの発揮や主体的に動くことの意識付けは、どんな企業においても重要なことですよね。新入社員向け研修としてこのテーマが当てはまらない企業は、おそらくないのではないかと思います
新入社員研修期間の最後、技術研修で実機を使ったワークを行ったのですが、受講者には自ら積極的に動くこと、得意分野で貢献しようという意識、責任をもって役割を果たそうという意識がありました。研修期間の最後まで、継続的に教えて学び合う関係ができあがったと思います。その関係性づくりの最初の一歩として、この研修はとても大きな役割を果たしてくれました。

8)最後に、これからのCTCテクノロジー様を「こんな組織にしていきたい」という目標がありましたら、ぜひ教えてください。

鈴木:互いに教え学び合う、学習する組織です。そのためにも、新入社員研修の一環として、トレーナー向けに組織開発のワークを取り入れました。教え学ぶためにはある程度対等な信頼関係が必要です。そのためには、「目標」が重要になってきます。たとえば「私たちが取り組もうとしている目標から考えると、その意見には違和感があります」といったフィードバックが可能になる。共通のゴールが共有されていれば、上下関係があってもフィードバックができるのです。さすがに新入社員がすぐできるようになるとは考えていませんが、1~2年後には少しずつフィードバックできるようになっている、そんな組織になれればと思います。
野々村:個々の強さを高められるように、強さを発揮できるようなサポートをしていきたいです。それが新たな価値を作り出すプロフェッショナルになっていくと考えています。一人ひとりのスキルが高まった状態で発揮されるチームワークと、その先の成果がお客様への価値となり、自分たちの自信にもなると思います。
個人的には、自己表現も大切にしたいポイントです。誰かとコミュニケーションを取る時に、喜怒哀楽を豊かに表現すること、それを活性化させることで人と関わることの楽しさを感じられるし、さらなる相手の理解にもつながると考えています。
五箇:教え学ぶ関係性をより強固なものにして、企業文化にまで昇華できればと思います。今は研修の中で気づいてもらい、そこから意識して…というプロセスですが、研修を行わずともそれが当たり前になっている組織にしたい。一人ひとりが切磋琢磨して教え学ぶ組織を作るためには、野々村が申したような個々の強さも非常に重要になってくるので、個々の強さを伸ばすことも、人事部として引き続き尽力していきたいです。
中村:「学び合う組織」というキーワードにとても共感と感銘を受けました。多くの会社にそういった文化が根付けばもっと良い社会になると思いますし、御社が目指す目標に向けて、我々ももっとお役に立ちたい、と感じた次第です。本日は、本当にありがとうございました。
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