MENU

キャリこれ

【前編】人間性、成熟した社会、キャリアのこれから。―キャリアのこれから研究所が対話したい”問い”

イベント

2021.2.5


~イベント当日は、配信トラブルにより、Youtube live配信で参加予定だった方々にご迷惑をおかけし誠に申し訳ございませんでした~
2021年1月15日、キャリアのこれから研究所設立記念イベントとして、「人間性の発揮によって生まれる成熟した社会とは?」という問いをテーマに掲げたオンラインイベントを開催しました。
■“人間性の発揮”がキャリアのこれからにどうつながるのか ~1月15日設立記念イベント紹介~
https://future-career-labo.com/2020/12/24/mizuno04/
2020年の世界的な変化に触れて「自分らしさ(人間性)とは何か」「どう生きていきたいか」を問い直すことが多々あったかと思います。キャリアを”生き方”と捉えた時、そこにどんな人間性の発揮を望むのか、そこから私たちはどんな社会を創っていきたいのか、参加者の皆さんと対話したいと考え、場をつくりました。

体現者たちが語る”人間性・成熟した社会・キャリアのこれから”とは何か?

zoom参加者300人近くが入った中で、インスピレーション・ビデオがスタートしました。
真っ黒な背景の上に2つの言葉が明滅しています。
―自分らしさ。
―人間性。
玄侑宗久(げんゆうそうきゅう 以下、玄侑さん)さんが登場し、こんな言葉から始まりました。
「自分らしさってほとんど呪縛だと思います」
呪縛という表現に衝撃が走ります。呪縛。つまり自分らしさに囚われすぎることで、逆に自分の中の多様性を過小評価していませんか?という玄侑さんからの投げかけでした。
■玄侑さんのインタビュー記事
“絶対の自分”ではない、受身として立ち現れる個人の在り方―仏教・東洋の教えから見るキャリア観について臨済宗僧侶・玄侑氏に聞く
https://future-career-labo.com/2021/01/14/mizuno05/
インスピレーション・ビデオでは、仏教の世界から臨済宗僧侶の玄侑さん、アートの世界から日本古来の神獣に関する作品によって国際的評価を得ている小松美羽(こまつみわ 以下、小松さん)さん、スポーツの世界からラグビー日本代表として活躍した廣瀬俊朗(ひろせとしあき 以下、廣瀬さん)さん、そしてキャリア心理学会での大家であるマーク・サビカス博士(以下、サビカス博士)と、日本のキャリア領域の推進者である立野了嗣(たつのりょうじ 以下、立野さん)さんらが次々と登場しました。
それぞれの分野の先端を見てきている5名から、「人間性・自分らしさ」「成熟した社会」について、ひいては「キャリアのこれから」に重なる言葉があふれ、映像が流れていきます。
「自分を模倣しないで生き続ける中で、自分らしさが勝手に付随してくるのです」
自分の内側から湧き出る創造性を外に向かって創り出していくこと。アーティストとして数々の霊性が宿る作品をつくる上での心構えのようでもあり、小松さんの人間性そのものと重なっている言葉が浮かびあがりました。
■小松さんのインタビュー記事
「ひとり一人には役割がある。アーティスト・小松美羽氏が語る言葉と“これからのキャリア”の重なり」
https://future-career-labo.com/2020/12/28/unno02/
「人は、『このために頑張ろう』とすると、すごく大きな力が出てくる。想像できるというか。誰かのために、なんとかのためにやろうとすること、そこが人間らしさだと思います」
廣瀬さんの言葉も、私たちの心の深い何かに触れるものがありました。人には“想像する”という力が備わっていること。自分のためだけではなく、誰かのために、何かのために、という共通の目的をもち、手を取り合って頑張っていける、という人間の可能性について、廣瀬さんはラグビー、スポーツという視点から“人間らしさ”を伝えてくれました。
「人間性に基づくというといかにもキレイな、ロマンチックな面を感じさせるのだけど、それだけじゃない、経済合理性においても、人間性っていうのは有効なものがあるんじゃないかと思うんやね」
立野さんは、人間性が生産性・経済合理性に寄与する部分もあるのではないか、また、今加速している従業員シェア・副業といった企業と個人の関係性の変化は、賛否両論あるが、複数のつながりをもつという意味で、自然で人間らしいと話してくれました。
■立野さんのインタビュー記事
日本のキャリアコンサルティングにおける普及推進の立役者・立野了嗣氏が見る“キャリアのこれから”
https://future-career-labo.com/2020/12/24/ogata04/
「私たちには聴くべき『物語』があるのです。人は自分の人生の所有者であり作者です」
ひとり一人には物語(ストーリー)が存在している。アイデンティティとは、独自のストーリーを創ることを意味していて、キャリアカウンセリングとはアイデンティティ支援である。問いを投げかけていくことで誰かが前進する、その一歩が社会への貢献に繋がるのだと、サビカス博士は語ってくれました。
イベントでは前・中・後編と3つのインスピレーション・ビデオが流れ、どの映像もそれぞれのスピーカーの言葉が、私たちを立ち止まらせ、思考させました。
インスピレーション・ビデオの5名はこの場にはいませんでしたが、まるでここで我々に向かって直接語りかけてくれていたかのような余韻が残っていました。
■レポート後編は  こちら