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【後編】ひろぎんホールディングス様に学ぶ、これからのビジネスを担う、自律型人財の育成

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イベント

2023.6.9


2023年2月9日、イベント『ひろぎんホールディングス様に学ぶ、これからのビジネスを担う、自律型人財の育成~人間力・自主性につながる人財育成とは~』を開催しました。
イベントレポート後半では、モデレーターである弊社ソリューション企画部 木下と参加者の皆さまからのご質問、そして平山様からのご回答をご紹介します。
*前編はこちら
〇イベントゲスト:
株式会社ひろぎんホールディングス
経営管理部 人事総務グループ人材開発室 室長 平山 剛寛 様
〇イベントファシリテーター:
(株)日本マンパワー ソリューション企画部 木下 幸代
〇レポート執筆:
(株)日本マンパワー マーケティング部 小池 由里子

【従業員エンゲージメント向上に関する施策と人事部の想いに関する質問】

質問1:「従業員エンゲージメントと理念浸透」について、具体的にはどのような取り組みをされているのか教えていただけますか。~モデレーター木下から~
*イベント時、木下の質問ににこやかに答えてくださる平山様
(左:平山様 右:木下)
平山様(※以下敬称略):
階層別研修の受講参加者には、「私と経営理念」という題目で事前課題を実施しています。課題の構成は以下3点です。
1.お客さまとのリレーションの中で、お客さまの課題に共に対峙し、私たちにできることは何かを追及しながら、具体的なサポートの形を考え、共に前進することができた経験を記載してください。
2.上記1の実体験や経験は、あなたにとって、どのような気づきを得ることができましたか。また、その気づきを通じてその後の行動や意識、認識にどのような変化がありましたか。
3.あなたは当社の経営理念を日々の活動にどう組み込み、また、部下に対し、何を、どのように伝えていきたいと考えますか。
管理・監督職層には「部下に対してどのように『私と経営理念』を伝えますか?」という問いも取り入れています。
具体的な経験を振り返り、一人ひとりが「お客様に寄り添った具体的な事例」や「お客様からいただいた感謝の言葉」などを言語化することにより、個の経営理念が具体的な経験に結びついたオリジナルなものになります。
経営理念の浸透は容易な課題ではありません。しかし、お客様の表情や感謝のお言葉から「あの時の自分の対応がお客様に役立ったのかな」と後から振り返ることはとても重要です。これによって、経営理念を再確認し、さらなる理念の浸透を目指すことができると考えています。

質問2:心理的安全性の向上に向けてどのようなアプローチをされていますか?また、組織内の心理的安全性の現状や成長度をどのようにして評価されていますか?~参加者から~
平山:
心理的安全性はここ数年で非常に重要視されるようになりました。心理的安全性の鍵として、組織のリーダーは部下と良好なコミュニケーションを取ることが重要だという理解が広まってきていると感じています。
特に、仕事のやりがいを重視した部下のサポートは非常に重要です。現状では、成果にのみ焦点を当てる上司もまだいますので、成果だけでなく、仕事の過程や小さな成功にも褒めたり認めたりするようなマネジメントスキルを強化していきたいと考えています。
若手職員の多くは「自分はお客様のために役立つ存在になる」という気持ちを持っていますので、管理職からもそのような言葉を積極的に伝えられる環境を作りたいですね。

質問3:新たな施策を進めることは本当に大変だと思いますが、人材開発部門の皆さんは何を大切にし、どのような思いで取り組んでいるのでしょうか?~モデレーター木下から~
平山:
企業の視点と個人の視点の両方を常に持つことが重要です。企業としては、人材ポートフォリオの目標達成に向けて、既存の人材とのギャップを効果的に埋める視点を持つ必要があります。一方、個人としては、現在の職務とは異なる新たな職務のためにスキルを習得し、新しいキャリアを築いていく視点が求められます。
特に、個人には「自律的学習」の強化が欠かせません。各人が自分が目指す姿になるために必要なスキルや知識を自主的に学び取る必要があります。
人材開発部門の役割は、この自律的学習を後押しし、支援することです。多様な学習コースや学びの場を提供し、職員が自由に選択できる学習環境を整える仕組みを作ることが重要です。また、自律的学習を支援するマネージャーの役割も重要であり、マネージャー研修も重視しています。

【新入職員・若手職員を中心とした自律型人財育成に関する質問】

質問4:近年の若手世代の傾向について何か感じていることがあれば教えていただけますか?~モデレーター木下から~
平山:
最近、私は若手世代が「他者への貢献」を自分の価値観の中心に置いていると強く感じています。印象的なエピソードを一つご紹介します。
5年目に入り、難関資格も取得している職員が、ある取引先の社長との面談で会社の決算について話していたとき、細かい勘定科目が理解できなかったそうです。「お客さまのためになっていない自分が悔しかった」と、現在は簿記の資格を取得しようと勉強しています。「知識やスキルはお客さまへの礼儀です」とも言っていました。最近はこのような考えを持つ若手職員が増えています。
もしかすると、マズローが欲求階層説の上位概念として提唱した「自己超越欲求」に関連するのかもしれません。これは「自分以外の誰かのため」や「社会のため」にできることなど、貢献の思考を持つことで自己実現に近づくという考えです。現在の若手世代は、他者への貢献を中心に置きながら自己実現を追求する世代なのではないかと思います。

質問5:若手職員の価値観や資質、強みの理解のために、どのような研修を行っていらっしゃるのでしょうか?~参加者から~
平山:若手職員の研修では、ティーチング型研修のほとんどがeラーニングになっているため、実際の研修では主にディスカッションの形式を積極的に取り入れています。
研修の冒頭では、お互いの話に興味や関心、好奇心を持って聞くように呼びかけ、参加者に当事者意識や発信力、傾聴力を意識させます。会話の中で、同じ考え方に共感することもありますし、考え方や価値観の違いがあれば、それが学びにつながると考えています。今後もディスカッションを通じて、お互いにさまざまな気づきを得るための課題を適切に提供していきます。

質問6:次に若手職員の人材育成の仕組みについてより詳しく教えてください。OJTとOff-JTの両方を担当される育成担当部長はどのような方で、どんな役割があるのでしょうか。~参加者から~
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平山:
育成担当部長は、1~3年目の若手職員に対する人材育成に関する指導と支援を営業店に対して行っています。育成担当部長3人は支店長経験者から選ばれており、人柄の良い方が選ばれていると考えます。その中の1人はキャリアコンサルタントの資格を持っています。
彼らは、若手職員の人材育成に関連する指導や支援、研修講師としての登壇、育成計画の策定支援と進捗確認、若手職員の業務スキル評価の状況確認、そして若手職員のジョブローテーションなどを行います。

質問7:若手職員の育成に係るインストラクター、インストラクターリーダーはどんな方で、どんな役割を担っているのでしょうか。~参加者から~
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平山:
インストラクター制度は、新入職員を地区全体でしっかりと育成することを基本的な考え方としています。地区の内務次長が育成を統括し、地区幹事店長が最終的な責任者となります。
インストラクターは通常、2年目の社員であり「身近な目標」に基づいて相談や助言を通じた人間的成長の支援を行います。彼らは厳しくも温かい指導者としての役割を果たし、社会人としての意識、行動、考え方を指導します。さらに、各地区にはインストラクターリーダーが配置されており、彼らはインストラクター制度の要として大きく関与しています。インストラクターリーダーの主な対象は、入社から5年目から7年目の社員です。

質問8:地区全体で新入職員をきちんと育てる、素晴らしいと感じました。地区での育成について具体的にどのようなことを実施されているのか教えてください。~参加者から~
平山:
先ほどお話ししたインストラクターリーダーがインストラクター会議を企画します。この会議には地区幹事または内務次長が同席し、若手の育成状況や課題を共有するようにしています。
会議の内容は人材開発や育成担当部長と共有され、必要に応じて人事企画部門にも情報提供されます。もし問題があると思われる事柄があれば、育成担当部長が個別に面談やフォローアップを行う形で運営されています。

質問9:若者の育成にはマネジメント層の意識改革がとても重要だと思いますが、どのようにお考えですか?~モデレーター木下から~
平山:
来期では、マネジメント層の意識改革が重要な柱となると思われます。経営層は「お客さまを最優先に考えた業務運営」や「ゴールベースアプローチ」、そして「SDGSやカーボンニュートラルへの取り組み」など、環境の変化に即したメッセージを発信しています。
若手職員は彼らの価値観や考え方に合致しているため、スムーズにその意識を持つことができているように感じます。しかし、管理監督職層は「10年や20年前のプロダクトアウト型のビジネススタイル」や「リーダーシップやマネジメント、コミュニケーションのアプローチ方法」などを大幅に見直す必要があります。この世代の意識改革は、若手職員の定着(離職防止)にも大いに関わってくると考えています。

【自己啓発に関する質問】

質問10:手上げ制の研修を多く実施しているそうですが、研修への参加率を上げるための工夫は行われていますか?また、研修は平日の業務時間中に実施されていますか?~参加者から~
平山:
現在、階層別研修、テーマ別研修、業務別研修などを提供していますが、手上げ制の研修はテーマ別研修に限られます。参加率は100%であり、これらの研修は平日の業務時間中に行われています。
また、週末には「フリーカレッジ」という研修も開催しており、こちらは業務時間外に行われるため時間給は発生しませんが、それにもかかわらず参加率は高いです。参加者が関心を持ちやすい内容や仕事に直結するテーマを重視して案内しています。
さらに、私たちは取引先経営者と関わる機会が多いため、最近では教養科目にも力を入れています。生け花やワインに関するセミナーなどを開催しました。取引先経営者と同じレベルに到達するのは難しいですが、少なくとも基礎的な知識や経験を積むことが重要だと考えています。教養セミナーに参加することで、取引先経営者との共通点を持つことができ、関係性を深めることも期待されます。今後もさまざまなセミナーを企画していく予定です。
ここまで、若手職員の育成に関する具体的な取り組みや、従業員エンゲージメントと理念浸透、心理的安全性の向上のアプローチなど、質疑応答の内容をご紹介してまいりました。
イベントではその他にも多岐にわたる質問をいただきました。ひとつひとつの質問に真摯に向き合い、ご回答いただいた平山様に、心より御礼を申し上げます。
今回のイベントで取り上げた「全社員のキャリア自律支援」「若手職員のエンゲージメント向上」に関するソリューションをまとめた資料をご用意しております。
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